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【 「51C」家族を容れるハコの戦後と現在 】 
「51C」家族を容れるハコの戦後と現在
建築家の山本理顕さんは、東京東雲の公団住宅を設計するとき、「51Cを壊す設計をします」と言ったという。山本さんが標的にした「51C」を、集合住宅に多く見られるnLDKの元であると認識している人は多い。が、それは間違いだ。本書はこの51Cを軸に、主に集合住宅の間取を通して、家族と住宅の関係をさまざまな角度から捉えようとしている。
「51C」は'51年に計画された公営住宅標準設計C型の通称で、東京大学建築学科の吉武泰水研究室が原案を設計した。当時大学院生としてこれに参加した鈴木成文さんは、本書の中で両者の違いを次のように述べている。 「51C」は戦後の住宅不足を解消するために国が示したモデル住宅で、35平米の中でいかに合理的な生活を営めるかが考えられている。対してnLDKは、それから十数年経って日本も少し豊かになり、部屋数が多いほうが住宅は売れるという安直な理由で生まれた。現在もこれは存続しているが、51Cはすでに歴史の一部である、と。
この本は、「51Cは呪縛か」というシンポジウムをきっかけに出版された。そのいきさつについても記録している。どの人の発言も文章もイキイキしていて、住宅について考えることがこんなに面白かったのか、と思う。特に鈴木さんと社会学者の上野千鶴子さんのやりとりが刺戟的だ。

UPDATE 04/12/22

著者鈴木成文、上野千鶴子、山本理顕 他
出版社平凡社
出版年月2004年10月
ISBN4-582-54427-4
形態A5判、186頁
価格1,890円(税込)




── この書籍は、「室内」12月号にて紹介されています ──






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